『チャイニーズスープに首ったけ!』

2000年4月から二ヶ月に一回、『Yokohama Bay Side Wave』の
メールマガジンに中華街の季節情報記事を書くことになりました。
題して、”ちゅんの中華街マイブーム!”
こちらのコーナーではメールマガジンに入稿した文章に
写真・イラストを追加してご紹介します。
メルマガの定期購読申込みは『Yokohama Bay Side Wave』へどうぞ!!

ちゅんの中華街マイブーム!〜厳冬〜   2001年2月号
一年で一番寒い季節。 (少しずつ暖かい日が混じってきてますけどね) 「美味しくて温かいスープを飲んでほっとしたいよぅ」と、 妙にスープが恋しくなることはありませんか? 私は今、まさにそんな気持ち。 今回は、横浜中華街で出会ったスープの話をしましょう。

	
	
	

	 チャイニーズスープというとまず思い浮かぶのは、コーンスープとフカヒレスープでは
	 ないでしょうか。前者は家庭科の調理実習で習ったりするポピュラーなスープ。後者は
	 正装をしてウヤウヤシクいただくゴージャスなスープ、そんなイメージ。
	
	 ところが、中華街にはフカヒレスープをもっと手軽に味わうことができるお店があるの
	 です。しかも、老舗名店のフカヒレスープです、ご存知でしたか?

	 上海路にある『桃花』は、2年程前にオープンした上海寧波料理の店で、若々しいイン
	 テリアとカジュアルな値段が魅力。このお店、実はフカヒレの姿煮やペキンダックで有
	 名な『華正楼』の系列店のため、『華正楼』モードのフカヒレスープをメニューに載せ
	 ているのです。白いカップでいただくカジュアルなスタイルながら味は本格的で、カニ
	 子が入っているのか?オレンジ色をしたとろみのあるスープにフカヒレの繊維が泳ぐス
	 ペシャルスープです。これで一人前1400円!ささやかな贅沢をしたいときにオスス
	 メします。中華街では一人前のスープを出してくれるお店は少ないので、カップルで注
	 文できるのもありがたいですね。
	 私はスープの他に、排骨高菜炒飯(骨付き豚ロースのフライがのった高菜入りチャーハ
	 ン)や小籠包を頼んだりします。美味しいです。
	
 一方、3人以上(できれば5、6人以上)集まったときは、料理を頼む際ぜひスープを  加えてください。おすすめは、このところ人気急上昇の酸辣湯(広東語:スーラートン、  北京語:ツァンラータン)という具沢山のスープ。  もともとは四川料理のスープなので、広東料理店の多い横浜中華街ではあまり見かけな  かったのですが、最近はすっかりポピュラーになってきています。  ちょっと酸っぱくて辛いところが食欲を刺激してくれる、飲みやすいスープですので一  度お試しを!  「酸辣湯なら知ってるよ、もっと他にないの?」とおっしゃるアナタには、個々のお店  の隠れメニューの中からユニークな名物スープをご紹介しましょう。そのかわり、予約  が必要だったり、季節限定だったり、いつでも注文できるわけではないので悪しからず。  ユニークなスープ、といえばこちら。  器いっぱいに黒いドロドロが溢れている海苔のスープです。こちらは福建路にある『慶  福楼』で福建省の家庭料理コースを予約したときに出していただいたもので、見た目は  グロテスクだけれど磯の香りがして美味しかったなぁ。  福建料理はコースの中にスープが何品も入るのが特徴なのだそうで、スープの種類がと  ても豊富です。福建料理を出してくれるお店は『慶福楼』のほか『東林』等何件かあっ  て、リクエストすれば牡蠣のスープやマテ貝のスープ、魚の団子スープなどを作っても  らえます。(交渉してね)  最後は、うっとりするような贅沢スープの話です。  「佛跳牆」(広東語:ファッティウチョーン)というスープを知っていますか。漢字か  らある程度想像ができますね。その昔、福建省で老酒のカメの中に山で採れた食材を入  れて焚き火をしていたところ、あまりの良い香りにお坊さんが垣根を飛び越えて食べに  きた、という意味の名前がついているスープです。  福建式の調理法は食材を直火で炊いて旨みを引き出すのに対し、お隣の広東省に伝わっ  てアレンジされた広東式の調理法では蒸すことで熱を加え、食材も山のものと海のもの  を組合わせた一段と豪華な内容になったようです。  以前、中華街大通りにある『大珍樓』で作っていただいた「佛跳牆」は、  フカヒレの姿/干し貝柱/干しアワビ/ツブ貝/ナマコ・魚の浮き袋/豚すね・髪菜/鶏・牛  すね・中国ハム/クコノミ・ヤマゴボウ/白菜の芯・椎茸  が入った超豪華版。  蒸して作るため、透明に澄んでいるそれはそれは美しいスープに、夢のような香り。口  に含むと…うーむ、私のつたない文章力ではスープに申し訳ないから、これ以上は書き  ませんっ。  ほんとうは、今回は紹介できなかったけれど、他にも沢山美味しいスープがあるのです。  ぜひメニューをじっくりみて、お店の人に相談したりして、これは!というアナタのス  ペシャルスープを見つけてください、思い浮かべるだけで心まで温めてもらえるような  至福のチャイニーズスープを。



おしゃべり中華街〜TOP PAGE へ戻る