『上海蟹の短い秋』

2000年4月から二ヶ月に一回、『Yokohama Bay Side Wave』の
メールマガジンに中華街の季節情報記事を書くことになりました。
題して、”ちゅんの中華街マイブーム!”
こちらのコーナーではメールマガジンに入稿した文章に
写真・イラストを追加してご紹介します。
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ちゅんの中華街マイブーム!〜晩秋〜  2000年10月号
	
 
 ようやく涼しくなってきて、本格的な秋到来ですね。  秋が来ると中華街全体がなんとなくソワソワしはじめて、街じゅうに真っ赤に蒸され  た蟹のポスターが貼られるようになります。この蟹が、上海蟹です。  上海蟹とは、またの名を『大閘蟹』(ダァジャアシェ・広東語でダイチャップハイ)  といい、上海ちかくの淡水湖に生息するモズクガニの一種だそうです。大・・・とい  う愛称を持っているのに実際はとても小ぶりの蟹で、150gから200gのものが  一般的。運がよければ250g以上の大物が入荷するそうですが、今年はどうでしょ  うか。  上海蟹が中華街に大量に入荷するのは、主に10月初旬から11月です(実際は9月  下旬から1月ごろまで入荷します)。メスは10月、オスは11月に食べなくては意  味がない!と美味しい季節が限られているので中華街全体がソワソワしてしまうわけ  ですね、季節限定という言葉には特別の魔力があるみたい。  さて上海蟹の美味しさは、殻をはずしたところにぎゅっと濃縮されたミソとタマゴが  たっぷり!というところにあります。その濃密さ、クリーミィさたるや、さながらク  レームブリュレのよう。中華街の食材屋や魚屋さんで元気の良いものを買いもとめて  自宅で蒸して食べることもできるので、ぜひお試しを!  この上海蟹、喧嘩っ早いので紐でしばられて籠に詰め込まれて売られていますが、ぶ  くぶく泡を噴くほど元気の良いものを選ぶのが肝心。死んだ蟹を蒸すとミソやタマゴ  が溶け出してしまうので、殻をはずすと何も入っていないっという悲惨な結果になる  ので要注意です。ミソやタマゴのない上海蟹なんて、あんこのないタイヤキみたいな  ものですからね(つまり、入ってなくても、そこそこは美味しい、という意味です)。  ちなみに蟹は体を冷やす食材ですから、黒酢と針しょうがを添えて体を温めながら食  べるのがよろしいそうで、紹興酒などを合わせるのも結構。食後に生姜湯を飲めば、  もう完璧です。  蒸し上海蟹を中華料理店で注文すると、一杯2000円から3000円はする高級品  になりますが、酔っ払い蟹や壷蒸しスープなど、家庭では味わえないスペシャルメニ  ューを味わうことができるのは、やはり魅力的。また牡蠣や栗・茸・葉もの野菜など  この季節旬を迎える美味しい食材がたくさんあるので、中華街で一番美味しいものに  ありつけるのもこのシーズン。蟹と一緒に秋の味覚をたっぷりと味わうのがいいです  ね。  ここまで書いたところで、10月8日早速中華街に繰り出して上海蟹を仕入れてきま  した。『耀盛號』で雌150g1000円、雄200g1200円くらいでした。  調理法は、蒸すなら10分でOKだけど、お店のお姉さんのオススメはビールで7分煮  る方法。今回はこちらで調理しました、うーん残酷だけど美味しかった!! **************************************** (おまけ) 上海蟹のことなら、輸入元のこちらのホームページが詳しくてわかりやすいです。 http://www.perinet.co.jp/tousai/9710/kani.htm 『おしゃべり中華街』の'中華サミット'というコーナーで上海蟹を味わうコースを 食べたときの様子をレポートしています、よかったら見てね! http://www.rental-web.com/~azuma/jun/chu/summit/gurume1/gurume11.htm ****************************************   ゆでる寸前と、ゆであがったところ!(合掌)     季節の野菜たち



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